デュポン、カリブー・バイオサイエンシス社との戦略提携を発表

・CRISPR-Casの知的財産ポートフォリオに関し、クロスライセンス契約を締結
・今後数年にわたる共同研究を開始
・デュポンは、カリブー・バイオサイエンシ
社への少数株主持分投資を実施

 米国デュポン社(本社:デラウエア州ウィルミントン、会長兼最高経営責任者:エド・ブリーン)は2015年10月8日(現地時間)、ゲノム編集技術CRISPR-Casの開発を牽引するカリブー・バイオサイエンシス社とともに戦略事業提携を発表しました。

 合意の一環として、両社は各社の有する特許ポートフォリオのクロスライセンス契約を締結しました。これによりデュポンは、主要なトウモロコシ・コムギ・ダイズなどの穀類及びナタネなどの油糧作物におけるCRISPR-Cas法の応用に対する独占知的財産権と、その他の農業生物化学と工業生物化学の応用に対する非独占権を有することとなります。

 さらに、両社の提携には、核となるCRISPR-Casツールキットの幅広さ、多用性、効率性の向上に焦点を置いた、両社の科学者による複数年の共同研究も含まれます。業務関係をさらに強化するため、デュポンは、カリブー・バイオサイエンシス社への少数株主持分投資も実施しました。

 デュポン首席副社長のジェイムズ・C・ボレルは次のように述べています。「デュポンは、企業戦略に基づいて、世界の農業生産力を改善し食料安全保障を強化する目的で、CRISPR-Cas法の応用研究を拡大強化する意向です。カリブー・バイオサイエンシス社との最先端の新技術における事業提携によって、両社は重要な技術プラットフォームの開発を大きく加速させ、その顧客に長期的価値を提供することでしょう」。また、「特にCRISPR-Casには、作物の育種を促し、農業関係者に最適な農業ソリューションの幅を広げる可能性が大いにあると弊社は考えています。今後5年から10年で、関連商品の市場化を見込んでいます」とも述べています。

 CRISPR-Cas法は、ほとんどの生物のDNAを正確に編集することが可能です。この編集技術は、植物に乾燥耐性や病害抵抗性を付与し、植物を健全に保ち、収穫量を高めるために用いられます。また、食物アレルゲンの除去や、植物性油の栄養成分の改善など、消費者に直接的な利益をもたらすことも可能です。

 カリブー・バイオサイエンシス社の共同設立者であり、社長兼最高経営責任者を務めるレイチェル・ハウルウィッツ博士は次のように述べています。「この提携はまさに画期的と言えます。デュポンと協力できることを光栄に思います」。また、「デュポンはこれまでCRISPRの分野における貢献は非常に大きく、弊社はCasを介したゲノム編集技術を、将来有望な商用分野での開発と応用に向け、デュポンの優れた知見や専門的知識を得られることを大変うれしく思います。この取り組みによってCRISPR-Cas遺伝子編集の新たな応用研究が確実に促進されることとなり、病気で苦しむ患者向けの治癒だけでなく一般消費者向けの多くの新製品を生み出すことになるでしょう」とも述べています。

 合意に関する金額の詳細は明らかにされていません。

 デュポンが実現したこの最新のライセンスと提携合意は、CRISPR-Casの分野をいち早く採用した牽引役としての、その戦略基盤を象徴しています。またこれは、特許出願に関連したデュポン自身の財産を補完し、先立って発表されたヴィリニュス大学とのライセンス供与と提携合意に付け加えられるものです。

 CRISPR(クラスター化した規則的な間隔の短いパリンドローム様リピート)とは、細菌中に元来存在する特性で、ウイルスから細菌を防御する役割を持ちます。デュポンの科学者らは、CRISPRシステムの機能をいち早く明らかにしました。CRISPR-Cas(CRISPR関連タンパク質)はCRISPRに由来するツールの一つであり、細菌にウイルスに対する免疫を与える元来のCRISPRプロセスとは異なります。デュポンは、ウイルスに対する免疫を与えるCRISPRの使用に関連した、60件以上の特許と特許出願から成る特許ポートフォリオを有しており、CRISPR-Casゲノム編集技術に関連する特許出願も複数含まれています。

 デュポンは1802年の創業以来、世界最高水準の科学技術を基盤に、革新的な製品や素材、サービスを提案しています。お客様や政府、NGO、オピニオンリーダーとの連携を通じ、世界中の人々に十分に安全な食糧を提供すること、化石燃料依存からの脱却、人と環境の保護など、世界的な課題へのソリューションを見出すご提案が出来ると信じています。デュポンの取り組みに関する詳細は、http://www.dupont.co.jp(米国サイト:http://www.dupont.com)をご覧ください。


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