米国デュポン パイオニア社、CRISPR-Casを用いた初の製品の商品化意向を発表

·        最先端の育種技術は、農業の進歩にとって重要なイノベーション

·        優良ワキシーコーンハイブリッドが、最初の農業製品となる可能性

·        デュポン パイオニア社は、科学の更なる発展と普及を目指し、コラボレーションの機会を探索

 

アイオワ州ジョンストン、2016年4月18日 - 米国デュポン パイオニア社は、最先端の育種技術であるCRISPR-Casにより育成した最初の農業製品がワキシーコーンハイブリッドとなることを発表しました。次世代の優良ワキシーコーンハイブリッドは、ほ場における栽培試験および規制上の検討結果を待って、米国の農業従事者向けに5年以内に商品化される予定です。

デュポン パイオニアの研究開発部門の責任者、ニール・ガターソン副社長は次のように述べています。「弊社は、農業従事者から加工業者、エンドユーザーに至るバリューチェーンの全ての皆様の利益となる次世代高品質ワキシーコーンハイブリッドを育成するために、90年にわたって蓄積したトウモロコシに関する知識を活用しています。CRISPR-Casを用いた高付加価値の製品を最初に商品化することにより、今後、本植物育種イノベーションによって更に多くの製品が育成されてゆく強力な礎を築くことが出来ると考えています。」

デュポン パイオニアは、ワキシーコーンハイブリッドの世界的なリーディングサプライヤーです。米国では毎年およそ50万エーカーでワキシーコーンが栽培されていますが、従来のワキシーコーンはワキシー種ではないハイブリッドトウモロコシに比べて収量面で劣っています。ワキシーコーンはアミロペクチン(デンプン)を多く含んでおり、ワキシーコーン由来のデンプンは製粉されて、加工食品や接着剤・光沢紙などの非食品用途に広く使われています。一般的にワキシーコーンは、「identity-preserved (IP)」と呼ばれる閉鎖系ループ生産システムにより、契約栽培されています。

ガターソンはまた、「CRISPR-Casにより育成された次世代ワキシーコーンハイブリッドは、今後、優良な遺伝的背景を持つ高収量のワキシーコーンを効率的にお客様にお届けするためのステップチェンジとなるでしょう。」と述べています。

米国農務省(USDA)は最近、デュポン パイオニアからの問い合わせ(Regulated Article Letter of Inquiry)に対し、先端育種技術CRISPR-Casによる次世代ワキシーコーンが、米国農務省バイオテクノロジー規制サービス( Biotechnology Regulatory Services)の規制対象とはならないとの回答を発表しました。

ガターソンは「弊社は、最先端植物育種ツールであるCRISPR-Casは、今日の世界における豊富で健康的な食糧供給を維持していくための重要な役割を担うと考えています。米国農務省からの回答は米国における規制のランドスケープを明らかにし、今後CRISPR-Cas技術を用いた種子製品の育成を進めるための重要な第一歩です。潜在的な規制を理解するため、弊社は世界の規制機関や政府機関への相談を続けて参ります。」と述べています。

デュポン パイオニアは、病害抵抗性や乾燥耐性といった環境ストレスに対する回復力を持たせた種子製品を育成し、またハイブリッドシステムの改良を進めるためにCRISPR-Cas最先端育種基盤を構築しています。本技術は弊社が関心を持つ作物全てに適用が可能です。

「これは始まりにすぎません。弊社は、これまでになく過酷になってきている農業課題を解決するための新しいソリューションの開発を、お客様・アカデミア・政府・NGO・公共の研究所と積極的に協力することによって成し遂げることこそが、この重要な植物育種イノベーションの真の価値であると考えています。」とガターソンは付け加えています。デュポン パイオニアは、これまでもコラボレーションや科学の発展のために幅広く貢献してきており、CRISPR-Cas技術についても、本技術が全作物・全地域においてより素晴らしい発展をしていくように、今後コラボレーションの機会を積極的に受け入れたいと考えています。

デュポン パイオニアは先日、ヴィリニュス大学およびカリブー・バイオサイエンス社との研究および知的財産(IP)ライセンスの戦略的提携を発表しました。この提携と、デュポン独自の知的財産・技術能力・基幹施設・科学的専門知識を組み合わせ、CRISPR-Casを更に進展させて参ります。

デュポン パイオニアは世界90ヶ国以上の農業従事者の皆様に向け、最先端の植物遺伝資源および高品質な種子をお届けする世界的な開発者およびサプライヤーです。作物の栽培に関するサポートやサービスにより、農業従事者の皆様の生産性および利益向上のお手伝いをしています。世界中の人々に向けた持続可能な農業システムの開発に努めています(Science with Service Delivering Success®)。デュポン パイオニアの取り組みに関する詳細は、http://www.dupont.com/products-and-services/seeds/brands/pioneer.htmlをご覧ください。

デュポンは1802年の創業以来、世界最高水準の科学技術を基盤に、革新的な製品や素材、サービスを提案しています。お客様や政府、NGO、オピニオンリーダーとの連携を通じ、世界中の人々に十分に安全な食糧を提供すること、化石燃料依存からの脱却、人と環境の保護など、世界的な課題へのソリューションを見出すご提案が出来ると信じています。デュポンの取り組みに関する詳細は、http://www.dupont.co.jp(米国サイト:http://www.dupont.com)をご覧ください。

本参考資料は、米国時間2016年4月18日に米国デュポン パイオニア社が配信したリリースの抄訳です。当資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。