安全のためのDnA-変革を加速させるための触媒

DNA for Safety

1970年代、安全の専門家たちは、従業員の行動に働きかけることで作業安全には顕著な変化を生じさせることができると考えていました。行動のパターンが人の思考や態度、信念、価値を決定づけるという考え方です。今日では、認知心理学から、思考や判断が人の行動を導くことがわかっています。「デュポンの統合的な安全アプローチ(DnA)」では、人がなぜ、どのように判断するのかを考慮に組み入れました。内在性と外来性の両方の性質を持つ動機的要因を考慮して、リスクの高い習慣が形成されたり、打破される方法に対処します。DnAがもたらした新機軸は、心理学、行動の安全、そして私たちを支配する社会的規範の理解を複合的に組み合わせ、作業安全を新たなレベルまで高める点にあるのです。

 過去2年の間、デュポンサステナブルソリューションはデュポンの施設でこの新たな学習アプローチを実践することにより、卓越した成果を上げてきました。文化の変革を通じて同僚や責任者、企業を指導する手法を取り入れたプログラムは、従来の安全管理ツール以上のものを求める外部企業にも提供しています。デュポンの社内だけでなく、欧州や中東、アフリカの企業がすでにこのアプローチの採用を決定し、それぞれの安全パフォーマンスの転換において大きな進歩を遂げています。

The Bradley Curve

View Media

DnAとは

DnAとは「デュポンの統合的安全アプローチ(DuPont Integrated Approach for Safety)」の略で、安全を本質的な価値の一つに位置付け、組織のすべての人員を関与させる高度で包括的なアプローチです。

従来、企業は、文化的変革のモデルであるブラッドリーカーブによって説明される安全性確立の道のりを歩んできました。この曲線を活用することにより、安全の専門家は、反応型(曲線の最初の部分で、企業は制度の所轄機関が定めた安全規則の遵守のみを目標とする段階。責任者は安全文化の実施には関与せず、安全は生来の性質に関わる問題としてしか認識されていません)から、相互啓発型(曲線の最後の段階で、従業員と雇用者が互いの安全に配慮し、安全が組織におけるプライドの一つの理由であるともに、人々は他者を助け合うよう努めている)に至る従業員の進歩の過程を追跡しました。このモデルは、作業安全の確立に通じる企業の変遷を効果的に把握できる方法であり、文化的変革を適正に反映するものなのです。

しかしながら、モデルには2つの制約があります。その一つは、依存型から独立型への移行を達成した時に企業が感じる安堵感です。安全は継続的な目標でなければなりません。到達したら、それ以上の努力がいらなくなる最終目的地ではないのです。安全への取り組みは再生させ、再活性化し、時間の経過とともに絶えず強化していかなければなりません。革新性を維持し、何度も繰り返されるメッセージによって従業員を飽きさせない方法でこれを実現するにはどうしたらよいのでしょうか。

ブラッドリーモデルの2つ目の制約は、会社全体のたどる道のりが自動的に組織内の個人が歩む道のりと合致するわけではないという点にあります。従業員は、不遵守による結果を恐れるから指示された行動に従うのでしょうか。それとも認めてくれることを期待しているからでしょうか。誰も見ていなくても、それでも従業員は安全に行動するでしょうか。業務外では、どのくらい安全に配慮して行動するのでしょうか。

「デュポンの統合的アプローチ」では、次の疑問に取り組むことで、これらの制約に対処しました。すなわち、「人はなぜ、それをするのか。彼らの考えは何なのか」という疑問です。その結果として、プログラムは複数のレベルで効果を発揮し、従業員が単純に安全性を遵守するだけの組織から、従業員が積極的に安全に取り組む組織への転換に、すなわち従業員の個人的な安全への道のりを組織の道のりと合致させることに力を発揮しています。

パズルに欠かせないピース

DnAの新たなアプローチは、脳がどのように情報を処理し、我々が何を考え、何を信じるかを考慮した実用的な人間の行動モデルに加え、作業環境や社会的風土といった有力な外的要因を活用しています。DnAの3つの柱(理念、手法、商品)の詳細は、デュポンサステナブルソリューションの心理学者であるRod Gutierrezのビデオインタビューをご覧下さい。

安全のためのDnAを適用することで、何が人間の行動の動機になるのかを一層包括的に理解し、それぞれの事業や人員に関する具体的なニーズにもとづいて、個別に調整した有効性の高い変更プログラムを構築することが可能です。

Behavior-based safety programs vs DnA

View Media

価値、態度、信念に対するデュポンの指標

デュポンサステナブルソリューションは、安全に関する重要な信念、価値、行動のプロファイルを構築することを目的に、ユニークな評価ツールである「デュポンの価値、態度、信念の指標」を提供しています(これら3つの要素は、左のニュースレターに収められているRod Gutierrezとのビデオインタビューで語られているものです)。

デュポンの心理学者は、いくつかの用途を念頭に置き、この有効性の高いユニークなツールを考案しました。このツールは、多様なセクターにおける企業の労働力を強力で建設的な変化に従事させる方法の特定に役立ちます。

能力ベースの学習経験
 
能力ベースの学習は、従来の安全研修の提供とは異なるものです。一人一人と連携することにより、各個人のスタート地点からスキルレベルを構築し、その後に、他の学習者の達成レベルではなく、むしろ普遍的な能力基準に照らして進歩の評価を行います。

コーチング-個人の歩む安全確立の道のりを成功に導くための重要な要素

デュポンのプログレスコーチング」は、研修の段階で個人が達成した能力レベルをベースに、学習した内容を統合し、実務での達成レベルを最大限に高めます。この新たなアプローチは「指導」から学習推進型の道のりへと移行するものです。コーチングが決定的な差を生み出すのです。

理論的な学習内容を現場での作業に適用するのは、まさにこの段階です。参加者の安全に関わる能力やチーム構成員の安全に対する態度への働きかけに最も顕著な改善が期待できます。「デュポンのプログレスコーチング」は個人と企業のニーズに適合するように設計されており、通常は数ヶ月の研修期間で提供されます。この期間に、然るべき資格を有するコーチが個人や小グループと連携することにより、指定された個人のアクションプランや職場プロジェクトを成功に導くのです。

従来の安全プログラムが組織文化の範囲内で行動を変えていこうと意図するのに対し、DnAは組織における個人の信念や価値の変革に重点を置き、作業の卓越した安全に向けて息の長い行動の変化や加速的な進歩を実現します。