適切な殺菌剤の耐性菌管理で持続的な農業を可能にする

効率的な農作物栽培のためには、農薬の存在は欠かせません。耐性菌の発現によって殺菌剤の効果が低下して使えなくなると、病害防除が困難になるだけでなく、生産物の品質や収量にも影響する問題となります。

食糧生産を持続可能なものにするため、クロップライフインターナショナルはFRAC(Fungicide Resistance Action Committee/ 殺菌剤耐性菌対策委員会、以下FRAC)という組織委員会を設立しました。FRACでは国際的に協力して、耐性菌の発生情報・モニタリング方法・使用ガイドライン等を提供し、植物病原菌の感受性低下と耐性発現リスクを低減させるための活動を行っています。

デュポンはFRACメンバーでその活動を全面的に支持しています。

・耐性菌管理の手法

耐性菌管理を適切に行うことで、殺菌剤は長年に渡り圃場での防除効果を発揮することができ、農業生産に貢献し続けることができます。

一般的に耐性菌管理は、異なる作用機構を持つ殺菌剤をローテーションで使用する体系防除や、混用散布が有効とされています。特定の殺菌剤に過度に頼った防除を続けると、もともとその殺菌剤が効きにくい性質を持つ病原菌個体群が生き残ってしまうので、結果として耐性菌が増えてしまう恐れがあるからです。そういったリスクを低減させるために、異なる作用機構の殺菌剤を組み合わせて防除を行うことが推奨されています。

ローテーション防除実施には、殺菌剤の作用機構を正しく認識し、同じ作用機構の殺菌剤を過度に使用することを避ける必要があります。異なる製品名、異なる有効成分でも同じ作用機構である場合があるので注意が必要です。

・FRACの殺菌剤分類

FRACでは、全ての殺菌剤においてその作用機構および作用点により殺菌剤をグループ分類し、固有のFRACコードを割り振っています。殺菌剤のFRACコードを確認することで、その殺菌剤の作用機構が識別でき、ローテーション防除の組み立てに役立てることができます。最新のFRACコードについては、Japan FRACのFRACコード表をご覧ください。(Japan FRACのサイトへリンクします) 

・FRACにおける耐性菌管理の考え方

植物病原菌の種類や、殺菌剤によって耐性菌の発現リスクは異なります。例えば、病原菌に対して特異的で単一の作用点を持つ殺菌剤は、自然突然変異等によって感受性の低下した植物病原菌や耐性菌が発生した場合、その殺菌剤の防除効果の低下につながります。

また、殺菌剤の耐性菌管理は、殺菌剤側のリスクも考慮する必要があります。耐性菌発現の危険度が高い病原菌に対して、耐性菌発現の危険度の高いと考えられる殺菌剤を用いる際は、特に注意が必要です。例えば、ラベル記載の薬量(希釈倍率)を遵守し適切な防除間隔を保つ、病徴が発現する前に予防的に使用する、異なる作用機構を持つ他の殺菌剤との混用やローテーション散布を徹底することなどにより植物病原菌が薬剤に曝露される機会を制限する必要があります。

・デュポン社の耐性菌管理への取り組み

デュポン社は、FRACが提唱する殺菌剤の耐性菌管理の考え方を支持し、いち早く自社製品のラベルにFRACコードを表示する取り組みを始めています。また、耐性菌管理が特に重要と考えられる単一作用点を持つ有効成分、ゾーベック® エニケード®については、明確な耐性菌管理方針を提示することで使用者の耐性菌管理への取り組みをサポートしています。

FRACに関する詳細は、以下をご参照ください。

  1. Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)ウェブサイト(英語)

    http://www.frac.info/home

  1. Japan FRAC 殺菌剤耐性菌対策委員会ウェブサイト(日本語)

     http://www.jfrac.com/

耐性・抵抗性の発生を防ぐことは、JGAP基準の農薬の選択・計画 (青果物22016は24.1.3、青果物2010は 6.1)でも規定されている通り、とても重要です。

耐性菌管理を適切に行い、有効な殺菌剤の防除効果を保つことは、農業に関わる全ての人にとっての利益になります。

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本ウェブサイトの情報は参照のための情報となっております。ご使用の際にはラベルをよく確認の上、ご使用下さい。