適切な殺虫剤の抵抗性管理で持続的な農業を可能にする

1950年代以降、農業および農薬メーカーが直面している深刻な課題として害虫の薬剤抵抗性が挙げられます。抵抗性発達を管理し、その発現を防ぐ、もしくは遅延させることが非常に重要な課題であると考えられています。その考えを基に1984年に世界農薬工業連盟(現Crop Life International)の傘下に設立されたのが、殺虫剤抵抗性管理委員会(Insecticide Resistance Action Committee 以降IRAC)です。

  • IRACの考え方と活動

IRACのミッションは次の3点に要約されます。

1.     殺虫剤・殺ダニ剤抵抗性に関する情報伝達とトレーニングをすること

2.     薬剤の効果を維持するために必要な殺虫剤抵抗性管理戦略の立案を推進すること

3.     それらの実践により持続的農業を支えること

いかに薬剤抵抗性の発現を遅らせるか、抵抗性発現が認められた場合には、いかにして影響を最小限にとどめるか。IRACは持続的な農業を可能にするため薬剤の効力を維持するための活動をしています。

ブロック式ローテーションモデル(キャベツ・コナガの例)
  •  作用機構分類

日本では、ローテーション防除が害虫の薬剤抵抗性管理として浸透しています。しかし、現場では個々の製品でローテーションしていればよいという理解にとどまっている場合があり、却って同一作用機構薬剤の連用を招き、害虫の薬剤抵抗性を発達させるケースもあります。薬剤抵抗性管理で重要なのは製品の作用機構を理解し、同一作用機構を持つ農薬の連用を避け、異なる作用機構の農薬を組み合わせてローテーションを行うことです。

IRACは作用機構に基づく殺虫剤の有効成分について分類表を作成しています。一旦、薬剤抵抗性が発達すると当該農薬が効果を発揮しないだけでなく、同じ作用機構の他の農薬も十分な効果を示せなくなる交差抵抗性がしばしば認められます。同じグループに分類される農薬は、通常同じ標的分子を有しており、作用機構も同じことが多いのです。そのため、化学的に関係の深い農薬が分かるように分類表が作成されました。IRACの作用機構分類に基づき、グループが異なる農薬を組み合わせてローテーション使用すれば、同一作用機構を持つ殺虫剤の連続使用を避けることができ、交差抵抗性発達リスクを減少させられるとIRACは提唱しています。

  •  ブロック式ローテーション

上記の考え方を更に進めたのがブロック式ローテーションです。ブロック式ローテーションは従来の輪番式ローテーションと基本的には同じですが、害虫の世代期間の考え方を取り入れた点が新しくなっています。IRACではブロック式ローテーションが現在の抵抗性管理手法の中で最も有効であると考えています。

ブロック式ローテーションでは異なる作用機構の農薬を輪番使用します。その際に害虫1世代を1ブロックとして考え、ブロック単位でローテーションを組みます。隣り合ったブロックの中では異なる作用機構の農薬を使うことで感受性の低い害虫個体群が生き残る確率を下げることができます。

ブロックの日数は感受性低下リスクの高い害虫に合わせて考えます。葉菜類の場合はコナガを対象とし、ブロックの日数は約4週間を基準とします。

デュポン社はIRACが提唱する薬剤抵抗性管理の考え方を支持し、製品のラベル包装にIRACの作用機構番号を記載する活動を始めています。活動を通して、生産者の方々が農薬のローテーションを立案する際のサポートを行っています。

当社製品のお買い求めは、お近くのJAまたは小売店でお願いいたします。
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