サーマルマネージメント

高性能ポリアミドのピラミッド

自動車のサーマルマネージメント向けの部品の厳しい要件を満たす高性能ポリアミド

高性能ポリアミド (HPPA) は、高温で反応性の高い自動車用冷却水や、アンダーフードの高温高湿、超高温状態といった環境にさらされても、優れた強度と靱性を維持する、サーマルマネージメント向けの部品の要求の厳しい用途にも対応した耐久性を備えた機能的な部品を作ることができます。

はじめに
 
自動車部品への熱可塑性エンジニアリングプラスチックの採用は、ここ 25 年間で大きく増加し、パワートレイン、電装系部品、シャーシ、トリム部品、その他の車両分野において多くの新しい用途が加わっています。 一般的な最新型の車両には、100 kg 以上のプラスチック部品が使用されています。 需要成長の主な要因として、軽量化、生産性の向上 (部品とシステムの組み立てや統合が容易)、そして設計の自由度が高いことが挙げられます。

アンダーフード関連の用途は、特に大きく拡大しています。 インテーク マニホールド、ロッカー カバー、ラジエータ エンド タンク、燃料デリバリーパイプ、高電圧コネクタなどがその例です。 ポリアミドは、耐油性、熱安定性、機械強度、靱性など、必要な特性のバランスに優れているため、これらの分野への使用に非常に適しています。

近年では、省スペース化が進みエンジンがさらに高出力・効率になっているため、エンジン ルーム内の温度が上昇しています。 プラスチック部品の耐熱性の重要度はさらに増しています。

また、燃費をより向上させるためにさらなる軽量化も求められている為、PPA などの優れた耐熱性を持つポリマーの使用の拡大に繋がることが予想されます。

PPA の不凍液に対する耐性もまた、優れた特性の一つです、半芳香族 PPA の不凍液に対する耐性は6ナイロン  や66ナイロン などの脂肪族ポリアミドよりも優れています。デュポンではPPA がより反応性が高い長寿命の冷却剤を含む高性能不凍液に対する耐性についても現在の長期保証期間に準じた 試験により確認しております。

プラスティック材料について

ポリマーは、モノマー単位 (個々の分子) を繰り返して長鎖を形成することで構成されています。 ポリマーは、1 種類の分子で構成される場合と (ホモポリマー)、複数の分子の組み合わせで構成される場合 (コポリマー) があります。

熱可塑性プラスチックとして知られる主要なポリマーは、熱硬化性ポリマーとは異なり、再溶融可能で、ポリマー鎖の間に不可逆的架橋結合を形成します。 熱可塑性プラスチックのカテゴリには、非結晶性ポリマーと結晶性ポリマーがあります。 非結晶性ポリマーはポリマー鎖がランダムに配置され、結晶性ポリマーは非晶質母材内に規則正しい結晶構造が形成されます。結晶領域と非晶領域の両方を含むポリマーは、半結晶性ポリマーと呼ばれます。

一般に、非結晶性ポリマーは透過性と強靱性に優れ、半結晶性ポリマーは耐薬品性と温度性能に優れています。 これらは一般的な説明なので、設計する際は、個々の特性について製品固有の資料と試験データを確認してください。

対象となるポリマーには、半結晶性熱可塑性プラスチックの中間温度範囲に含まれる6ナイロン 、66ナイロン などの脂肪族ポリアミドと、半結晶性熱可塑性プラスチックの高温側温度範囲に含まれる PPA があります。

ポリマーは多くの場合、有用な製品を製造するために、他の原料と組み合わせて使用されます。 このポリマーと添加剤を組み合わせたものが、プラスチックや複合材と呼ばれます。 複合材を生成するために使用される一般的な原料は、ファイバーグラス、ミネラル、熱安定剤、難燃剤、その他の加工助剤です。ここで説明する製品の多くは、ファイバーグラス強化材やガラス強化材 (GR) を重量比で 30 ~ 35% 含む複合材です。ファイバーグラス強化材は、特に非晶領域が流動状態になるポリマーのガラス転移点 (Tg) を超えて温度が上昇しても、強度と剛性を示します。